1. 造影剤の供給制限に伴う代替薬剤の使用について
当院では、消化管穿孔・狭窄・閉塞・縫合不全などの評価や、消化管の通過・位置確認等を目的とした造影検査に、水溶性造影剤「ガストログラフイン経口・注腸用」を使用してまいりました。 しかし、現在は製造販売元から供給制限(出荷量減少)が案内されており、今後、一時的に安定供給が困難となることが見込まれています。
必要な検査・治療を継続するため、代替薬剤として、非イオン性ヨード造影剤「オムニパーク300注」(一般名:イオヘキソール)を、検査目的に応じて経口または直腸内に投与して使用することとしました。 使用量や希釈の有無は、検査の目的・部位・患者様の状態に応じて医師が判断します
2. 日本国内での承認状況と海外での使用実績(適応外使用について)
オムニパーク300注は、日本国内では血管造影、CT造影、尿路造影等に用いる注射用造影剤として承認されています。 一方、経口投与および直腸内投与による消化管造影は、国内添付文書の効能・効果には含まれておらず、国内では適応外使用となります。
イオヘキソール(海外販売名:OMNIPAQUE)は、海外では消化管造影剤として長年使用されています。米国では成人の消化管X線検査における経口投与、および腹部・骨盤CTにおける希釈製剤の経口投与が正式に承認されています。 また、カナダではOMNIPAQUE 300について経口・直腸内投与を含む製剤として承認され、小児の消化管検査では直腸内投与の用法も設定されています。成人への直腸内投与についても、腹部CT等での臨床使用が報告されています。
ガストログラフインとの比較試験では、イオヘキソールは消化管通過時間に大きな差を認めず、小腸の造影濃度・診断的描出が良好であったと報告されています。 非イオン性で比較的低浸透圧の造影剤であり、消化管造影に用いる水溶性造影剤の選択肢の一つとして使用実績が蓄積されています。
当院では、国内外の承認情報、臨床報告および院内での使用目的を確認し、薬事委員会・医局会において妥当性・安全性を審査・承認のうえ、本運用を実施しています。
| 実施内容 | ガストログラフイン経口・注腸用の代替として、オムニパーク300注を経口または直腸内に投与し、消化管造影検査に使用します(国内における適応外使用)。 |
|---|---|
| 対象となる検査 | 当院で実施する消化管造影検査(消化管X線撮影、消化管穿孔・狭窄・閉塞・縫合不全、通過・位置確認等の評価検査)。 |
| 対象医薬品 | オムニパーク300注(一般名:イオヘキソール、ヨード濃度300 mgI/mL)。 |
| 承認・使用実績 |
海外:成人の経口投与に正式適応があります。直腸内投与は小児で正式適応があるほか、成人での臨床使用も報告されています。 国内:血管造影、CT造影、尿路造影等の承認がありますが、消化管内投与は適応外使用となります。 |
3. 情報公開による包括同意(オプトアウト方式)について
本検査は緊急性を伴う場合もあることから、速やかに必要な医療を提供するため、患者様お一人ずつから書面で事前同意をいただく方法に代えて、病院ホームページおよび外来掲示等で本使用方法を公開し、ご辞退のお申し出がない場合に使用する「オプトアウト方式」を採用しています。 使用を希望されない場合は、いつでも医療スタッフへお申し出いただけます。
4. 予想される副作用・不利益および当院での安全対策
【予測される不利益・副作用のリスク】
- 過敏反応(アレルギー症状): ヨード造影剤に対する体質等により、かゆみ、じん麻疹、発疹、呼吸困難、血圧低下、ショック等の過敏反応が生じる可能性があります。
- 消化器症状: 経口・直腸内投与後に、下痢、悪心、嘔吐、腹痛等の症状がみられることがあります。
- 誤嚥等: 経口投与時に誤嚥した場合、呼吸器症状を生じる可能性があります。イオヘキソールはガストログラフインより低浸透圧であり、誤嚥時の肺障害の懸念は相対的に小さいとされていますが、危険性がなくなるわけではありません。
- 医薬品副作用被害救済制度について: 本剤の消化管投与は国内適応外使用にあたるため、万が一副作用が生じた場合、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となる可能性があります。あらかじめご了承ください。
【当院における安全対策】
- 事前確認: ヨード造影剤に対する過敏症の既往、気管支喘息、甲状腺疾患、その他の持病や患者様の全身状態を確認します。
- 状態観察: 投与中および投与後は、医療スタッフが体調の変化を観察し、異常があれば速やかに対応します。
- 緊急処置体制: 重篤な過敏反応等に備え、必要な救急処置を行える体制下で検査を実施します。
5. 検査費用について
本検査にかかる費用は、通常の健康保険等の保険診療が適用されます。また、本使用方法による副作用が生じた場合につきましても、保険診療にて対応いたします。
6. 代替薬剤使用の拒否権・ご質問・お問い合わせ窓口
本代替薬剤(オムニパーク300注)を用いた検査をご希望されない場合は、いつでもお申し出いただけます。 使用を拒否された場合であっても、それを理由として診療上不利益な取り扱いを受けることはありません。
ただし、本剤を使用しない場合には、他の検査方法への変更、検査の延期、あるいは病変の評価が十分に行えない可能性があります。 その場合は、主治医・担当医から代替となる検査・診療方針についてご説明します。
【本件に関するお問い合わせ・ご辞退のお申し出先】
ご質問、ご不明な点、あるいは代替薬剤の使用をご希望されない場合は、 主治医・担当医師・看護師・薬剤師・放射線技師、 または下記窓口までお申し出ください。
病院名:社会医療法人恵和会 恵庭第一病院
電話番号:0123-34-1155(代表)
受付時間:平日 9:00~17:00
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